整形外科と形成外科の治療範囲
整形外科と形成外科の違いは治療範囲によってはっきりと分けられています。名前にあいまいなイメージが強く、 どうしても混同されてしまうことが多いこの二つの診療科目ですが、治療範囲を見れば違いは一目瞭然です。
整形外科の治療範囲は体の運動機能の改善がメインとなっています。骨や関節、筋肉、神経などの異常に対しての治療を担当しています。 外傷、疾患を問わず治療を行っており、その中には腰痛や肩こり、神経痛などの治療も含まれています。 治療方法としては骨接合術や人工関節などの手術のほか、リハビリテーションなどが行われます。
それに対して形成外科では体の表面に生じた異常に対しての治療がメインとなっています。 火傷や切り傷による痕、あるいは骨折による変形や歪み、腫瘍手術によって損なわれた部分の再建、先天的異常の改善などが含まれます。
火傷痕の治療、乳房再建などがよく知られていますが、ほかにも皮膚の色や形の異常に関して幅広い治療が行われています。 治療によって運動能力が回復することはありますが、整形外科のように最初からそれを目的にしているのではなく、 おもに外見上の問題を解決することをおもな目的としているのです。
ごく一部、たとえば指の切断による再接合などの治療で重なる部分がありますが、基本的には整形外科と形成外科の治療範囲はまったく異なります。 形成外科は皮膚科に近い診療科目といえるでしょう。どちらも重要な役割を果たしているだけに、混同しないよう治療内容は把握しておきたいところです。
インプラント関連
外科の世界では整形外科と形成外科に、分野の違いがあることを説明しました。
では、歯科の世界ではどうなのでしょう。虫歯治療のほかに予防歯科、義歯、インプラント、歯列矯正・・・と様々な種類があります。
外科の世界と歯科の世界を照らし合わせてみると、
整形外科・・・運動機能を改善する治療。
形成外科・・・外見上の問題を改善する治療。
こう考えてみると、どちらもあてはまりますね。ですが、義歯やインプラントは、その素材によって保険が適応される、適応されないという違いがあります。世界は違っても、似ているところがあるのはおもしろいですね。